2016年6月21日火曜日

スズメバチは急に凶暴にはならないと思っています。

今回の里山調査の帰り道、大きなスズメバチに会いました。ガリガリと木の幹をかじる様子がおもしろかったので、もう少し近づいて撮影したかったのですが、立ち位置を変えると警戒をしたので、ズームレンズで撮影しました。

ハチの観察は、行動に注意しながらハチが攻撃に入らない距離を保てば怖いことはありません。触覚の動きや目の向きなどを見て、自分がハチの視野に入っているか、翅を広げ始めて警戒体勢になっていないか、などに気をつけることが大切です。


彼らの警戒行動や攻撃準備段階をきちんと捉えれば、夏に攻撃されることは、巣に近づかない限りまずないでしょう。ちなみに、過去に私もハチに何度も刺されたことがありますが、刺したハチたちはみんな私の不注意が原因でしたし、彼らの警戒の信号をキャッチできていなかったことが私の大きな失敗でした。

私の経験の話ではありますが、生きものが何の前ぶれもなく、急に凶暴になることはありません。だいたいいくつかのステップがあります。それをきちんと理解し、刺激をしないように退けば、何の問題も起きないことがほとんどです。

秋になると、スズメバチの巣の駆除を取り扱った番組をテレビなどでやっておりますが、攻撃的になるような状況になっているのですから人を襲うのは当たり前です。さらに、レポーターの過剰な反応や不要な効果音がついている状態で番組構成をされ、スズメバチが積極的に人を攻撃する生きもののように扱われると、私はとても悔しい気持ちになります。

ハチに限った話ではないのですが、野生生物が危険なのではなく、
“人間にとって野生生物が危険な存在に変わってしまう人間の振る舞い”
が前段階にはあるという感覚をもつことが重要で、その感覚があることで防げる事故があることを、野外を歩く方にはぜひ持ってほしいです。

スズメバチも大事な地球の一員です。非常に美しい生きものです。ハチへの近づき方を学んで、彼らのような生きものたちにもしっかり皆さんの眼差しを向けてほしいと思っています。

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